
当社のベアフットシューズは科学的なデータ、理論をもとに設計してあるので体に余計な負担をかけず、けがを防ぐようにできています。
しかし、当社のシューズですべてのご希望にこたえることはできないでしょう。
- コーディネートを考えて、違うデザインのシューズを履きたい
- スポーツシューズは出勤に使えない
- 路面が濡れているので、水がしみこみにくいシューズを履きたい
など、当社のベアフットシューズではご希望にこたえられないこともあり、ほかのシューズが必要となる場面はあるかと思います。
そんな時に、シューズを選ぶ大事なポイントをお伝えします。
薄底でクッション性が低い

ベアフットまでいかなくても、できるだけ靴底は薄いほうが良いです。靴底が高ければそれだけ不安定になりますので怪我のリスクが上がりますし、フォームも崩れやすくなります。
そして、厚底になるほどクッションが増えることになるので、これも不安定性を増し、フォームを崩す要因になります。
オーバープロネーションなどの不適切な動作はクッションにより発生率が高まります。

クッションがなければそもそも不適切なほど足首をねじる動きはできません。事実、ベアフットシューズを継続して使用することで足の傷みが軽減していくことが知られています(*1)。
さらに、不安定面での動作が加わると筋力の発達が阻害されることがかくにんされているので(*2)、不安定なシューズを取り入れると、運動量が同じなのに筋力が想定ほど伸びないという結果を招きかねません。
この研究結果の怖いところは、各種トレーニングは安定面で行い、1種目だけ不安定面で行ったのにトレーニング効果が下がったことです。つまり、不安定なシューズを履くだけで、普段のトレーニング効果を下げてしまうかもしれないということです。
足を守り、トレーニング効果を高めるために、薄底でクッション性が低いシューズを選びましょう。
かかととつま先の高さの差が小さい

かかととつま先の高さの差はドロップといい、高さの差がないことをドロップ0と呼びます。
自然な動き、バランスを再現するには裸足と同じくドロップ0であることが最善ですが、ドロップ0のシューズは非常に少ないです。ドロップ0のシューズで希望に合うものがない場合、できるだけつま先とかかとの高低差の小さい、低ドロップシューズを選びましょう。
かかとが高いとそれだけで足の角度が変わり、かかとから接地しやすくなることが知られています(*3)。
かかとからの接地が増えるほど関節への負担が増えますのでけがのリスクが高まりますし、普段の接地のフォームがかかと接地へと乱れるリスクもあります。
できるだけかかとの低いシューズを選びましょう。
つま先の上がり方はできるだけ小さく

ベアフットシューズの愛好家であっても、つま先の角度については気にする方は少ないです。
つま先が上がったシューズを履いていると、普段つま先側に体重をかけることができなくなり、重心がかかと側に来てしまいます。
人が直立しているとき、本来は足の指からかかとまで全体が地面に触れて体重を分散しています。しかし、現代のシューズのほとんどはつま先が上がっているので、指に体重がかけられません。これが足指の筋力および動作能力の低下を招きます。
裸足に近い状態で6週間過ごしてもらうことで、足指の握力(足趾把持力)が向上することが確認されています(*4)。
足指の握力が低いことは、バランスの低下、運動能力の低下が確認されているだけでなく、関節炎のリスクが上がる可能性も示唆されています。
つま先が完全にフラットになっているシューズは少ないですが、できるだけ上がり方が小さいものを選びましょう。
固いヒールカウンターがあること

ヒールカウンターはかかとを支える固い芯のことで、かかと部分の下方に使われています。その形状から月芯とも呼ばれます。かかと部の布の内側に入っていることが多いですが、外側に取り付けられているタイプもあります。
ヒールカウンターには主に以下の役割があります。
- かかとの左右のブレを抑え、シューズ内での足の位置を安定させる
- 走行時の力を干渉せずに受け止めて、ロスをなくす
- 履き口の形状を保ち、履きやすさ、見た目の良さを保つ
ヒールカウンターは運動のパフォーマンス、シューズの使いやすさ、寿命を支える重要なパーツで、靴の命とも呼ばるほどです。
なので以下の、
- ヒールカウンターがないシューズ
- 非常に柔らかい素材でヒールカウンターを形成しているシューズ
はお勧めできません。
足のブレがあると美しい歩行動作が崩れるので、運動以外の場面でも動作や外観を損ないかねません。
スリッパで美しく歩いている人はいません。履物がぶれることなく足に追随して初めて人本来の動作が可能になります。
ゴム製の靴ひもには注意が必要

ゴムの靴紐や、靴ひもに留め具を使ったシューズがあります。どちらも靴ひもを結びなおす必要がなく手軽で便利ですが、ゴム製靴ひもや留め具は運動には適していません。
まず、ゴム製の靴ひもですが、脱ぎ・履きするときに簡単に手で伸ばせるということは、運動時の足の力でも簡単に伸び縮みするということです。単距離走行時の足のスイング速度は時速70km、長距離でも20km~30kmでスイングされており、手で伸ばせる程度のゴムでは完全に固定することはできません。
留め具タイプは内部のバネで靴紐を押さえているだけなので、固定力が弱く運動中に靴ひもが緩んでしまいます。靴ひもには7Gもの力がかかることが分かっており、バネの力ではとても抑えきれません。
靴ひもひついて、詳しくは「避けるべき靴ひもの種類・選び方」で解説していますので、詳細をお知りになりたい方はそちらをご覧ください。
通常、靴ひもは交換できますが、シューズの中には交換ができないタイプもあります。とくにゴム製の靴ひもを使っている場合、
- 靴ひもの末端がつながっており、外すには切る必要がある
- シューホール(靴ひもを通す穴)がゴムひも合わせて小さく作られており、通常のひもが通らない
ということがありますので、靴ひもを交換できるかどうか、購入前に確認しておいたほうがよいでしょう。
ちょっとした日常使いであれば、ゴム製靴ひもや留め具タイプでも不都合はありませんので、日常用なら利便性が勝るでしょう。
対して、運動はもちろん、ちょっとしたウォーキングなど幅広く使いたいのであれば、ゴムや留め具など、固定力の弱い靴ひもを使ったシューズは避けたほうが良いです。
レース・競技用シューズは例外

シューズを選ぶポイントのうち特に大きなものをご紹介してきましたが、レース用のシューズは例外です。
レース用のシューズは、足の筋活動を抑えることで長距離走行を可能にする、足の自由を制限する代わりに直線方向での速度を高めるなど、足の自然な動きを犠牲にしてでも競技パフォーマンスを最大化するように設計された、競技用シューズです。
例えば、トゥシューズはバレエには必須ですが、足の形を変えるほどの強制力があり、骨が変形する恐れがあるため12歳以下は使用しないことが推奨されるほどです。ボルダリングのクライミングシューズは足の締め付けが強いうえ、つま先が下がるように作られており走ることができません。

トゥシューズもクライミングシューズも足にとって好ましいとは言えませんが、競技パフォーマンスは高まります。レース用のシューズも同じで、足にとって良いかではなく、パフォーマンスを追求したシューズです。
レース用のシューズは、求める機能に応じて選び、試着で確認してから購入しましょう。
お勧めするシューズの特徴まとめ

お勧めするシューズの特徴をまとめると以下の通りです。
- 薄底でクッション性が少ない
- かかととつま先の高さの差が小さい
- つま先の上がり方が小さい
- 固いヒールカウンターがある
- ゴム製の靴ひもには注意(できるだけ避ける)
好みのデザインのシューズで、上記5つを完全に満たすものがなくても、できるだけ条件に近いものを選ぶとよいですよ。条件を満たすほど、リスクが低くなります。
参考文献
*4. 原丈貴. 日常生活における擬似的な裸足歩行がバランス機能および歩行能力におよぼす影響; デサントスポーツ科学 Vol. 39, 2018年5月25